ボーイング型ジャンボ機の大きさってどのくらい?

「ジャンボ」の通称で知られるボーイング747型機は、500人を超える乗客を輸送できる世界最大の旅客機だ。タイ国際航空でも、長距離国際線の主力として使われており、日本に向けても就航している。

英語の「Jumbo」は「ばかでかい」という意味で、「のろま」というイメージがあり、ボーイング社はこの愛称を好まず、1970年の初就航以降、自社で決めた「スーパージェット」というニックネームを長年使いつづけたことが知られている。だが、そのボーイング社も、いまでは自ら「Jumbo Jet」の名称を使うようになった。ジャンボが決して「のろま」ではないことは、世界の誰もが知っている、という自負の表われかもしれない。

747シリーズの最新機は「747~400」型機で、日本で運航されているものでは最大座席数568(国際線では524)、航続距離も世界最長の1万3570kmを誇る。地上から垂直尾翼までの高さは19.4mで、5階建てのビルの高さに相当する。

筒状になった胴体の外径は6.49mもある。ジャンボが登場する以前の旅客機の胴体は概ね3.5m幅で、客室は中央に通路が1本あり、その両側に客席が並ぶ形が定番だった。これに対し、ジャンボ機の客室では通路を2本配し、通路と窓を挟む座席のほかに、通路と通路に挟まれた中央席も設けられている。ジャンボ機に始まった6mを超える太い胴体は「ワイドボディ」(広胴型)と呼ばれている。

両翼の端から端までの全幅は64.4m。主翼の面積は538㎡で、片翼のなかにバスケットボールのコートがすっぽり入ってしまう広さだ。最大離陸重量(性能上、安全に離陸できる最大重量)は395tで、貨物船1隻分くらいに相当する重さである。

何もかもが「世界最大級」のジャンボだが、近年、ひとつだけ他機に「世界一」の座を譲ってしまった。ジャンボ機の機首から尾翼までの全長は70.66mだが、1995年に初就航したボーイング「777~300」型機は、それを超える全長73.9mで「世界最長」を誇っている。

777シリーズは、747シリーズよりも新しい世代の新型機として注目されている。機体の大きさではジャンボには敵わないが、エンジンの大きさはジャンボに勝る上、設計から製造までの全工程にコンピュータシステムを導入するなど、航空界の革命児として華々しく登場した。

1995年の初就航から10年足らずの現在までに、約600機の受注を得て、売れ行きも好調といわれているか、その倍数以上を生産し、いまなお1000機が世界の空を飛んでいる747には、まだまだおよばないといえるだろう。

— posted by 渉 at 01:21 am