これがないと生活できない々と言い張る無駄遣いの常習犯

お金を貯めようとするならば、無駄遣いが天敵になってくるに違いないものです。「必要なもの」だけを買って「無駄なもの」には、一切お金を使わなければ、お金は貯まってくるはずです。ただし、少しだけ厄介なのは、どれが「必要なもの」であり、どれが「無駄なもの」であるかは、一人ひとりの考え方で違ってくるということです。

共働きで、年収が1,000万円以上あるにもかかわらず、B夫婦には200万円ものカードローンがありました。原因はあまりにも激しい無駄遣いでした。他人からみれば、どう見ても「無駄遣い」としか考えられないのに、彼らは「必需品」と言い張って譲ろうとはしないのです。

たとえば、1回1万円の「芝刈りサービス」を月に2回も利用しています。普通だったら「無駄遣い」と考えるはずですが、B夫婦は違います。「毎月2回の芝刈りサービスというのは、絶対必要(必需品)に決まっているわ!だって、キャンセルしたら、お庭が荒れ放題じゃないの!」ということになってしまいます。

また、ケーブルテレビの契約料として、毎月8,000円を支払っていました。そこまで無理してケーブルテレビを見なくても、テレビ番組というのはいくらでも見られます。普通だったら「無駄遣い」と考えるはずですが、B夫婦に言わせれば「ケーブルテレビをキャンセルしたら、見たい番組が減っちゃうじゃないか!ケーブルテレビが生活に絶対必要(必需品)なのは間違いがない!」と言い張っているのです。

こうして「無駄なもの」まで「必要なもの」と勘違いして使っているため、お金が貯まるどころか、借金を抱えてしまっているという状況です。B夫婦は「どうしてお金が貯まらないで、借金が膨らむのかしら?」と嘆いていますが、端から見ていれば、これって当たり前の状況なんですよ。

やりたいことを1つに絞れば、後のすべてが無駄遣いに変わる

ここでのポイントは「必要なもの」と「無駄なもの」とをどこで区切るかということです。それには「やりたいこと」をたった1つに絞ることが有効です。たとえば「やりたいこと」が、年に1回の海外旅行であるならば、「海外旅行」と「芝刈り」を天秤にかけるということです。

「毎月2回の芝刈りサービスを続ければ、年に1回の海外旅行は、あきらめるしかありません」ということになれば、B夫婦だって「それじゃ、仕方がないから、芝刈りサービスはあきらめましょう」という具合に、渋々と納得するのです。

「やりたいこと」をたった1つ選んだことで、他の何かを我慢しなければなりませんが、これによって「必要なもの」と「無駄なもの」との線引きができるようになるわけです。年に1回の海外旅行へ行くために、毎月5万円を確保すれば、海外旅行以外の項目から5万円だけ節約する必要があります。このプロセスの中で、無駄遣いが省かれていくのです。

たった1つの「やりたいこと」を選択して「他の何か」を我慢することで、計画的にお金を使っていく。このような選択・我慢・計画性こそが、家計を引き締めていく方法です。娯楽と言われるすべてのものも、たった1つの「やりたいこと」を除いては、無駄遣いです。スポーツクラブの会員権は、たった1つの「やりたいこと」でなければ、無駄遣いです。携帯電話だって、持たずに済ませることは可能です。洋服だって、数点を除いたら、無駄遣いです。

食費だって、かなりの部分が無駄遣いです。たった1つの「やりたいこと」からすれば、残念ながら大好物のチョコレート1つだって無駄遣いなのです。芝刈りやケーブルテレビが必需品でないのと同じように「やりたいこと」を絞り込んでしまえば、ほとんどの支出は、必需品ではなくなります。

「いま、1番やりたいことは何でしょう?」なんて、子どものころにさんざん尋ねられてきたことですが、無駄遣いをなくすためには、子どものころを振り返りながら、たった1つだけ「やりたいこと」を決めてしまえばいいということなのです。

財産を作るための4つのプロセスとは

財産を作るために必要なことは次の4つのプロセスです。1つ目は「一番はじめに自分自身への支払いを済ませる」というやり方です。53万4,235円の「お給料」は、たくさんの請求書を経由して、結局、全部使ってしまったというのが、お金が貯まらない理由です。それなら、毎月3万円の「請求書」を作って、一番はじめに「自分自身」へ支払いを済ませてしまい「3万円の調整」を他の支出で行えば確実にお金が貯まります。

2つ目は「小銭は使わないで貯金箱に入れてしまう」というやり方です。家族で話し合って「買い物をする際には、すべてお札で支払い、おつりは貯金箱に入れてしまいましょう」とすれば、毎月3万円位の小銭が貯まるはずです。

3つ目は「正しくクーポン券を利用する」というやり方です。たとえば、財布に500円のクーポン券と現金5,000円が入っていたとします。この状況を、財布に5,500円入っていると解釈してはいけません。買い物をするときには、あくまで持ち合わせの現金、この場合では5,000円以下で購入できるものを選びます。その上でクーポンを利用して、最終的に500円以上が財布に残る仕組みを作りましょう。

4つ目は「買い物の性質を変える」というやり方です。普段の買い物の対象となるのは、使ったら価値がなくなってしまう”消費財”ですが、財産を作るためには、価値が上昇する「資産」を買うことが重要です。

そこで、S社のヨーグルトが好きなら、ヨーグルトと一緒にS社の株も買う。F社の冷凍食品が好きなら、エビフライと一緒にF社の株も買う。D社のフリースが好きなら、フリースと一緒にD社の株も買う、とすれば、お金を貯めるだけではなく、財産を作ることへとつながります。

— posted by 渉 at 03:21 pm